自分の歯が人より小さいと感じたことはありますか。笑顔の写真を見て、歯と歯の間に隙間が目立つことに気づいたり、友人から「歯が小さいね」と何気なく言われたりして、コンプレックスを抱えている方は少なくありません。この「小さい歯」は、果たして個性として受け入れるべきものなのでしょうか。それとも、治療を考えるべき悩みなのでしょうか。歯が小さい原因は、大きく分けて二つあります。一つは、生まれつき歯の形が小さい「矮小歯(わいしょうし)」や、円錐状の形をした「円錐歯」といった先天的なものです。これらは遺伝的な要因が関わっているとされ、特に上の前から二番目の歯によく見られます。もう一つは、後天的な原因によるものです。長年の歯ぎしりや食いしばりの癖によって歯の先端がすり減ってしまう「咬耗(こうもう)」や、酸性の飲食物の過剰摂取によって歯の表面が溶けてしまう「酸蝕症(さんしょくしょう)」などがこれにあたります。また、実際には歯の大きさは標準的なのに、歯茎が多く被さっているために相対的に歯が小さく見える「ガミースマイル」という状態もあります。歯が小さいことによる問題は、見た目だけではありません。歯と歯の間に隙間があると、食べ物が詰まりやすく虫歯や歯周病のリスクが高まったり、空気が漏れて発音がしにくくなったりすることもあります。また、噛み合わせのバランスが崩れ、特定の歯や顎に過剰な負担がかかる原因にもなり得ます。もし、あなたが歯の小ささによって笑顔に自信が持てなかったり、機能的な不便を感じていたりするのであれば、それは治療によって改善できる悩みです。現代の歯科医療には、歯を大きく見せるための様々な選択肢があります。まずは専門家である歯科医師に相談し、自分の歯が小さい原因と、それによってどんな影響が出ているのかを正確に知ることが、悩みを解決するための第一歩となるでしょう。
歯が小さい悩みは個性か治療対象か