突然、奥歯が欠けてしまった。しかし、仕事や家庭の都合で、すぐに歯科医院の予約が取れない。そんな時、受診日までの数日間を、症状を悪化させずに乗り切るためにはどうすれば良いのでしょうか。正しい応急処置と過ごし方を知っておくことが非常に重要です。まず、最も大切なことは、欠けた歯に余計な刺激を与えないことです。気になって舌や指で触りたくなる気持ちは分かりますが、絶対にやめましょう。鋭利な部分で舌を傷つけたり、雑菌を送り込んで感染のリスクを高めたりするだけです。食事の際は、意識して欠けた歯の反対側で噛むようにしてください。ナッツのような硬いもの、キャラメルのような粘着性の高い食べ物は、さらなる歯の破折を招く恐れがあるため、受診日までは完全に避けるべきです。また、象牙質が露出していると、冷たいものや熱いものがしみることがあります。刺激の強い飲食物は控え、常温のものを選ぶように心がけましょう。次に重要なのが、口腔内の清潔を保つことです。欠けた部分には食べ物のカスが非常に詰まりやすくなっています。食後は必ず歯磨きをしてください。ただし、歯ブラシで欠けた部分をゴシゴシと強く磨くのは禁物です。歯ブラシの毛先を優しく当て、汚れを丁寧にかき出すようにしましょう。痛みがない範囲で、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのも効果的です。もし、欠けた歯の破片が手元にある場合は、捨てずに保管しておきましょう。乾燥させるともろくなってしまうため、牛乳に浸すか、それがなければラップに包んで歯科医院へ持参してください。ごく稀ですが、条件が良ければ接着して元に戻せる可能性もあります。これらの方法は、あくまで歯科医院に行くまでの「つなぎ」です。自己判断で放置し続けることは、問題を深刻化させるだけです。できるだけ早く専門家の診察を受けるようにしてください。