大切なお子さんの歯に、黒い点や線を見つけた時、多くの親御さんは心配でたまらなくなるでしょう。もしかして痛いのではないか、すぐに削らなければならないのか、様々な不安が頭をよぎるはずです。子供の歯が黒くなる原因はいくつか考えられ、それぞれ対処法が異なります。まず、最も注意すべきなのはやはり虫歯です。乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く柔らかいため、一度虫歯になると進行が非常に早いという特徴があります。黒い点を見つけてから、あっという間に穴が空いてしまうことも珍しくありません。「どうせ生え変わるから」と油断するのは禁物です。乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びや歯質に悪影響を及ぼす可能性があります。また、痛みが出てしまうと、子供が歯磨きや食事を嫌がるようになり、治療にも恐怖心を抱いてしまいます。黒い点が虫歯かどうかは、専門家でなければ正確な判断はできません。自己判断で様子を見るのではなく、まずは小児歯科を受診することが最優先です。一方で、虫歯ではない可能性もあります。例えば、子供が転んだりして歯をぶつけた場合、その衝撃で歯の神経が死に、内側から黒ずんでくることがあります。この場合も、放置すると根の先に膿が溜まることがあるため、歯科医院での経過観察が必要です。また、特定の鉄剤を服用している場合や、口の中にいる細菌の種類によっては、歯の表面に黒い着色が付くこともあります。これは虫歯ではなく、歯のクリーニングで除去することが可能です。いずれにせよ、親御さんがすべきことは、まず慌てずに子供を安心させ、できるだけ早く小児歯科の専門医に相談することです。そして、何が原因であれ、これを機に毎日の仕上げ磨きの習慣を見直し、フッ素の活用や糖分の摂取コントロールなど、家庭での予防ケアを一層強化していくことが、お子さんの将来の歯の健康を守る上で何よりも大切になります。
子供の歯が黒い時に親がすべきこと