日々のセルフケアだけでは限界があるエナメル質の保護には、歯科医院でのプロフェッショナルケアが不可欠です。定期的な歯科検診は、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療に繋がるだけでなく、エナメル質の状態を専門家の目でチェックしてもらう貴重な機会となります。歯科医師や歯科衛生士は、肉眼では見えない初期のエナメル質の変化や、磨き残しによるプラークの蓄積などを正確に評価し、個々の患者に合わせたケアプランを提案してくれます。プロフェッショナルクリーニング(PMTC)は、通常の歯磨きでは除去しきれない歯石やバイオフィルムを専門的な器具を使って徹底的に除去する処置です。これにより、エナメル質の表面が清潔になり、再石灰化が促進されやすい環境が整います。また、高濃度のフッ素塗布も、エナメル質を強化し、酸への抵抗力を高める効果が非常に高い処置です。特に、虫歯リスクの高い方や、知覚過敏の症状がある方には推奨されます。必要に応じて、歯の溝を埋めるシーラント処置も、奥歯のエナメル質を物理的に保護するために行われます。これらのプロフェッショナルケアは、エナメル質の健康を維持し、生涯にわたって自分の歯を大切に使うために、セルフケアと並行して積極的に取り入れるべき重要な要素です。私たちの歯を守るエナメル質も、加齢とともに様々な変化を経験します。歳を重ねるにつれて、エナメル質は長年の使用や様々な刺激により徐々に摩耗し、薄くなる傾向があります。これにより、歯の色が象牙質の色を反映して黄ばんで見えたり、知覚過敏の症状が現れたりすることがあります。また、歯茎が下がることで歯の根元が露出し、その部分が虫歯になりやすくなる「根面う蝕」のリスクも高まります。根面はエナメル質ではなくセメント質で覆われており、エナメル質よりも酸に弱いため、特に注意が必要です。加齢に伴い、唾液の分泌量が減少することも少なくありません。唾液には、エナメル質の再石灰化を助ける成分や、口腔内の酸を中和する働きがあるため、唾液量の減少は虫歯や歯周病のリスクを高める要因となります。これらの変化に対応するためには、より一層丁寧な口腔ケアと定期的な歯科検診が重要です。電動歯ブラシの活用や、フッ素配合の歯磨き粉や洗口液の使用は、エナメル質を保護し、虫歯予防に役立ちます。
歯科医院でのプロフェッショナルケアとエナメル質