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エナメル質の酸蝕症とその対策
酸蝕症とは、虫歯菌が作り出す酸ではなく、飲食物に含まれる酸や胃酸などの外来性の酸によってエナメル質が溶かされてしまう状態を指します。特に炭酸飲料、柑橘系の果物やジュース、スポーツドリンクなどは酸性度が高く、頻繁に摂取することでエナメル質が徐々に薄くなり、歯が黄色く見えたり、知覚過敏の症状が現れたりすることがあります。また、逆流性食道炎などで胃酸が逆流する方も、酸蝕症のリスクが高いと言えるでしょう。酸蝕症の対策としては、まず酸性の飲食物の摂取を控えることが基本です。もし摂取する場合には、だらだらと時間をかけて飲むのではなく、短時間で済ませるように心がけましょう。また、ストローを使って歯に直接酸が触れるのを避けるのも効果的です。摂取後すぐに歯磨きをすると、酸によって軟らかくなったエナメル質を傷つける可能性があるため、水で口をゆすぐか、時間を置いてから優しく歯磨きをするのが良いでしょう。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用することも、エナメル質を強化し、酸への抵抗力を高める上で有効です。定期的な歯科検診で早期に酸蝕症を発見し、適切な指導を受けることも重要です。エナメル質は一度溶けてしまうと完全には元に戻らないため、日々の注意と対策がその健康を守るために不可欠です。日々の歯磨きは、エナメル質を保護し、口腔健康を維持するための最も基本的な習慣です。しかし、ただ歯を磨けば良いというわけではなく、効果的な歯磨き方法を実践することが重要になります。まず、歯ブラシの選び方ですが、ヘッドが小さく、毛先が柔らかいものを選ぶと、歯の隅々まで届きやすく、エナメル質を傷つけるリスクも低減できます。歯磨きの際は、力を入れすぎず、歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を45度の角度で当て、小刻みに動かす「バス法」を意識すると良いでしょう。ゴシゴシと強く磨くのは、エナメル質を削ったり、歯茎を傷つけたりする原因となるため避けるべきです。また、歯磨き粉はフッ素配合のものを選び、フッ素が口腔内に留まる時間を長くするために、歯磨き後のうがいは少量の水で軽く済ませるのが効果的です。歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、プラークを効率的に除去できます。特に寝る前の歯磨きは、就寝中に唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすい環境になるため、最も丁寧に行う必要があります。