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2025年9月
  • 歯の痛みから始まる顔面神経痛の可能性

    医療

    歯が痛いわけではないのに、歯のあたりがピリッ、チクッと電気が走るように瞬間的に痛む。そして、その痛みが顔の片側に広がったり、頭痛を伴ったりする。このような症状がある場合、それは単なる歯痛ではなく、「三叉神経痛」という顔の神経の病気である可能性があります。三叉神経痛は、顔の感覚を脳に伝える三叉神経が、何らかの原因で圧迫されたり刺激されたりすることで、激しい痛みが発作的に起こる病気です。その痛みは非常に特徴的で、「洗顔や歯磨き、食事、会話、あるいは風が顔に当たっただけ」といった、通常では痛みを感じないような些細な刺激が引き金となって、数秒から数十秒間の、耐えがたいほどの鋭い痛みが繰り返し襲ってきます。まるでカミソリで切られるよう、電撃が走るよう、と表現されるほどの激痛です。この三叉神経痛が、なぜ歯の痛みと間違われやすいのでしょうか。それは、三叉神経が、上顎の歯(第二枝)と下顎の歯(第三枝)の感覚も支配しているためです。発作的な痛みが、ちょうど歯のあたりで起こることが非常に多く、患者さん自身も「虫歯の激痛だ」と勘違いして、まず歯科医院を訪れるケースが後を絶ちません。歯科医師も、最初は虫歯や歯周病を疑って検査を行いますが、レントゲンなどでも異常が見つからない。そこで初めて、三叉神経痛の可能性が疑われることになります。原因の多くは、脳幹から三叉神経が出てくる部分で、近くを走行している血管(動脈)が神経を圧迫することによって起こると考えられています。加齢による動脈硬化で血管が蛇行し、神経に触れやすくなるため、中高年の方に多く見られます。治療は、まずカルバマゼピンなどの抗てんかん薬による薬物療法が第一選択となります。薬で効果が不十分な場合や、副作用が強い場合には、神経を圧迫している血管を移動させる「神経血管減圧術」という外科手術や、「ガンマナイフ」による放射線治療などが検討されます。歯のあたりに、普通ではない電撃様の痛みや、それに伴う頭痛を感じたら、安易に歯の問題と決めつけず、歯科だけでなく、脳神経外科やペインクリニックといった専門医に相談することが重要です。