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マウスピースの正しい使い方とお手入れ方法
歯科医院で自分専用の歯ぎしり用マウスピースを作っても、その効果を最大限に引き出し、長く快適に使い続けるためには、正しい使い方と毎日のお手入れが欠かせません。せっかくの治療装置を、不適切な扱いで台無しにしてしまわないよう、基本的なポイントをしっかりと押さえておきましょう。まず、装着のタイミングですが、基本的には「夜、寝る前」に装着します。歯磨きなど、就寝前の準備をすべて終えた後、清潔な手でカチッとはまるのを確認しながら装着してください。日中の食いしばりが強いと診断された場合は、歯科医師の指示に従い、仕事中など特定の時間帯に装着することもあります。使い始めの数日間は、口の中に異物感があったり、唾液が多く出たり、少し話しにくかったりするかもしれませんが、ほとんどの場合はすぐに慣れます。もし、痛みが強い、明らかに噛み合わせがおかしいと感じる場合は、無理に使用を続けず、早めに歯科医院に連絡して調整してもらいましょう。そして、マウスピースの寿命を左右するのが、毎日のお手入れです。マウスピースは、一晩中口の中に入れておくため、唾液や細菌が付着し、放置するとぬめりや黄ばみ、臭いの原因となります。朝起きてマウスピースを外したら、必ず流水下で、指や柔らかい歯ブラシを使って優しく洗浄してください。この時、歯磨き粉の使用は避けるのが一般的です。歯磨き粉に含まれる研磨剤が、マウスピースの表面に微細な傷をつけ、かえって細菌が繁殖しやすくなる原因となるためです。洗浄後は、清潔なタオルなどで水気をよく拭き取り、専用のケースに入れて、風通しの良い場所で保管します。熱に弱い材質のため、熱湯消毒や、直射日光の当たる場所、車内など高温になる場所での保管は、変形の原因となるので絶対に避けてください。週に一度程度、市販のマウスピース専用の洗浄剤を使用すると、より清潔な状態を保つことができます。正しいケアを習慣づけ、定期的に歯科医院でのチェックを受けることが、大切なマウスピースと長く付き合っていくための秘訣です。